明日の予報は流星嵐。

放課後のプレアデスのことだけ書くと言ったな。実はあれは嘘だ。更新はあまりしません。

女性聲優さんと紅葉を観に往きたい。

大學のキャンパス内を歩きながら想った。私は研究室がある建物へと続く道を急いで居た。まっすぐに伸びる一本道には銀杏の木が整然と並んで居て、色づいた葉が秋の到来を静かに告げて居た。私は此の季節が好きだった。以前、其の道が落ち葉で埋め尽くされた光景を眼にした。まるで黄色い絨毯を敷き詰めたみたいで、いつも下を向いて歩きがちな私の心に、其のときばかりは柔らかなぬくもりを与えてくれて居た。

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最近に成って、其の道が季節に彩られることは少なく成った。代わりによく目にするように成ったのは、活発に道を往来する清掃員の姿だった。ひらひらと舞い落ちる葉は、直ちに清掃員の手によって集められ、ビニールの袋に押し込まれてしまう。私は立ち止まって、地面に落ちたばかりの、未だ回収されて居ない葉を手にとった。やがて踏みしめられ、雨に打たれ、其の美しさを奪われる運命に在る彼らのことを想った。然し其れでも尚、美しさを保ったまま袋詰にすることを救済と呼ぶ気にはなれなかった。

私は亦、女性聲優さんと並んで観る秋の景色のことを想った。二人静かに佇んで、風にそよぐ木々の聲に耳を澄ませて、瞳に赤や黄色を映すとき、世界はどんなに美しく感じられるだろうかと夢想した。ふいに雲の切れ間から太陽が覗いた。眩しさが私を襲った。私は咄嗟に手にしたままの銀杏の葉でもって降り注ぐ陽光を遮った。視界の端で、新たに枝を離れた木の葉が風のまにまに旅する光景を捉えた。私には木々のざわめきが、旅立つ彼らへの餞のように想えてならなかった。私は手に持ったままの葉をそっと鼻に近づけた。其れは秋の匂いがした。

秋いろツイード

秋いろツイード

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